松葉杖で両手がふさがる生活は、想像以上に不自由だった～松葉杖体験者が語る“あのときアイウォークフリーがあれば…”～

2025年7月23日

はじめに

「松葉杖って、こんなに不便だとは思わなかった…」

怪我や手術をきっかけに突然始まる“松葉杖生活”。初めてその日常に直面したとき、多くの人が口にするのは、不自由さへの驚きと戸惑いです。
両手がふさがることで、料理も買い物もままならず、階段や雨の日は命がけ。動けないストレスは、やがて心の余裕さえ奪っていきます。
本記事では、実際に松葉杖生活を経験したAさんへのインタビューを通して、その「想像以上のしんどさ」と「本当に必要だったもの」が見えてきます。
そして、もしその時“ハンズフリーで両手が使える松葉杖”があったならという未来の選択肢「アイウォークフリー」についてもご紹介します。
今まさに松葉杖生活に不安を抱えている方や、家族・医療関係者としてサポートしたい方へ。
このインタビューが、「少しでも快適に過ごすヒント」になれば幸いです。

体験者のプロフィール紹介

Aさんの状況と生活環境（40代女性・左足首骨折・1ヶ月使用）

今回お話を伺ったのは、公務員として働くAさん（仮名・40代）。
夫と中学生の息子、そして同居のお姑さんと暮らす4人家族の中で、家事も仕事もこなす毎日を送っていました。
そんな日常が一変したのは、ほんの小さな出来事から。
「ちょっとした段差につまずいただけだったんです」と語るAさん。
わずか10センチ程度の段差で転倒し、左足首を骨折。人生初の“松葉杖生活”を送ることになりました。
「まさか自分が松葉杖を使うことになるなんて…」
Aさんがそう感じたように、急な事故や怪我によって、誰もが突然「不自由な暮らし」に直面する可能性があります。

当時、病院では当然のように松葉杖が渡され、それ以外の選択肢は何も説明されませんでした。
「それが“唯一の手段”だと信じ込んでいたので、そもそも『調べよう』という発想すらなかったんです。」とAさんは振り返ります。
「もし“他にも方法がある”と一言でも言ってもらえていたら、自分でもっと探したかもしれません。選べるって、本当に大事なことなんですよね。」
その後、Aさんは1ヶ月にわたる松葉杖生活を送り、身体だけでなく心にも大きな負担を感じていきます。
体験者だからこそ語れるリアルな声に、耳を傾けていきましょう。
1ヶ月にわたる松葉杖生活の中で、Aさんが感じたリアルな困難と心の揺れとは…。

インタビューによるリアルな体験談

松葉杖生活が始まって、最初に直面した“壁”

Q：最初に「これは不便だな」と感じたのはどんな場面でしたか？

A：「病院で松葉杖を手渡されて、“これで歩いてください”と言われた瞬間ですね。いざ立ち上がろうとしたら、体が思うように動かず、バランスが取れなくて本当に怖かったです。」

Aさんにとって、松葉杖との“最初の一歩”は、想像以上に困難なものでした。体を支えるつもりが、かえって不安定になり、前に進もうとするだけで全身に力が入り、ぎこちない動きに。
歩こうとする気持ちとは裏腹に、うまく体がついてこない。そんな感覚だったそうです。

Q：片手または両手が使えず、日常のどんな行動が難しかったですか？

A：「一番の衝撃は、“両手が完全にふさがる”ことでした。バッグも持てないし、傘もさせない。コップ一つをキッチンからテーブルに運ぶのにも、どうすればいいのかわからなくて、途方に暮れました。」

それまで当たり前にしていた行動の数々が、突然“できない”に変わる。
玄関のドアを開ける。冷蔵庫から物を取り出す。階段を昇るどれもが、両手が使えないというだけで、一つひとつのハードルが驚くほど高くなっていったといいます。

A：「家の中を1メートル移動するだけで、ため息が出るんです。毎日、“どうやってこれをやろう？”の連続でした。」

当時は病院から松葉杖を貸し出されていましたが、「もっと使いやすい松葉杖があるのでは？」と感じる瞬間もあったそうです。

A：「でも、松葉杖について調べるという発想すらありませんでした。最初から『松葉杖しかない』と決めつけていたから、他の可能性に気づけなかったんです。今思い返すと“松葉杖購入”とか“レンタル”“値段”ってググればよかったのになと思います。」

Aさんが感じたのは、“不便さ”と同様に、「もしかしたら他の手段があったのかもしれない。」という情報のなさへの戸惑いでもありました。

身体の痛みだけじゃない！精神的にもしんどかった日々

Q：松葉杖を使っていて、身体にどんな負担や痛みがありましたか？

A：「思っていた以上に、全身が疲れました。特に最初の頃は、脇の下が赤く腫れ、肩や腕は毎日筋肉痛でした。それよりも何よりもつらかったのが“腰”でした。松葉杖で片足をかばいながら歩くことで、知らないうちに腰に負担がかかっていたみたいで、腰痛を引き起こしてしまったんです。あの腰痛は、松葉杖による弊害と言っていいかもしれません。」

それまで腰に特別な不安がなかっただけに、予想外の痛みに戸惑いを隠せなかったといいます。

A：「そのうち、松葉杖を使うこと自体が怖くなってしまって。転ぶのも怖かったけれど、“これ以上腰を痛めたくない”という気持ちが強くなっていきました。」

Q：思うように動けないことで、気持ちや人間関係に影響はありましたか？

A：「正直、一番しんどかったのは、心のほうだったかもしれません。家庭では、夫や姑に家事を頼むことに気を遣い、息子にも小さな用事ひとつ頼むのに遠慮してしまう毎日でした。“これお願いしてもいい？”と聞くたびに、自分が無力になった気がして…。できていたことができない自分が情けなくなりました。職場でも精神的なプレッシャーはありました。ありがたいことに“無理しないで”と言ってもらえましたが、それすら申し訳なく感じてしまって…。迷惑をかけている気がして、心が落ち着かない日々でした。」

つまり、Aさんはリモート勤務を中心に仕事を続けていたものの、同僚に頼らなければならない場面も多く、「動けない・任せられない・手放せない」のジレンマで心がすり減っていったようです。

A：「家庭でも職場でも、自分が“迷惑をかける存在”になったようで…自己肯定感がどんどん下がっていきました。」

やがて、Aさんの中では“身体の不自由”が“心の不自由”へとつながり、日々の気力を少しずつ失っていったのでした。

「もしアイウォークフリーがあったなら…」と想像する“あの日々”

Q：「アイウォークフリー」を知ったとき、どのような第一印象を持ちましたか？

A：「えっ、両手が使えるの！？って、衝撃でした。こんなのあるんだ…って。正直、“もっと早く知っていれば…”って思いました。」

Aさんが「アイウォークフリー」の存在を知ったのは、松葉杖生活を終えてしばらく経った頃でした。膝を曲げて太ももで支えるという構造に驚き、従来の松葉杖とはまったく違う選択肢があることに強く惹かれたといいます。

A：「松葉杖の最大の欠点って、やっぱり“両手がふさがること”だと思うんです。だから、ハンズフリーで動けるなんて、ほんとに革命的だと思いました。」

Q：当時アイウォークフリーを使えていたら、松葉杖生活がどう変わっていたと思いますか？

A：「全然違っていたと思います。両手で料理もできたと思うし、洗濯物も干せたはず。息子と手をつなぐこともできたと思うと…早く知りたかったです。」

両手が自由になることで「一人でできること」が一気に増える。それが、Aさんにとっては何より大きな価値だったのでしょう。

A：「“やってあげられない”というストレスや負い目が、かなり減ったと思うんです。何かをお願いするたびに気を遣って、自己嫌悪に陥っていたので…。自分で動けるって、それだけで心の安定につながると思います。」

さらに、階段の昇り降りや外出への不安も軽減されていたはずと語るAさん。

A：「アイウォークフリーは手すりがあれば階段も上手く使えるようで、それだけでも行動範囲がぐっと広がりますよね。それと、雨の日は本当に外出するのが憂うつだったので、片手で傘がさせるのは嬉しいです。」

もうひとつ、Aさんが注目したのは「リハビリへの効果」です。

A：「太ももやお尻の筋肉を使う構造だから、筋力の低下も防げるって知って、“なるほど！”って思いました。私、松葉杖生活が終わったあと、脚の筋力が落ちてて歩くのが怖くなってたんです。回復までに思った以上に時間がかかったので、あのときこれが使えていたら、リハビリももっとスムーズだったかもしれません。」

そしてふと口にしたのが、あの“思わぬ苦しみ”についての想像でした。

A：「もしかしたら、あの腰痛も防げていたかもしれません。体のバランスを無理に腕で支えたり、不自然な姿勢で歩いたりしなければ、腰にあれだけ負担はかからなかったはず。そう思うと、松葉杖による二次的な痛みさえも防げたのでは、と感じます。」

その時Aさんにとって、「アイウォークフリー」はただの便利な道具ではなく、生活と心の両方を支えてくれる“可能性の象徴”のように映ったようです。

A：「松葉杖が唯一の手段だと思い込んでいた過去の自分に、“他にも選べるんだよ”って教えてあげたいです。」

家事も仕事も、自分らしくこなせていたかもしれない

Q：松葉杖生活で実際に家事・仕事で困ったことは何ですか？

A：「本当に困ったのは、“自分のことが自分でできない”という状況そのものでした。たとえば、朝食を準備しても食器をテーブルまで運べない。洗濯物を干すのに片手じゃ無理。掃除機なんて、とてもかけられませんでした。」

実際Aさんは日常的に家族の家事を担っていたこともあり、動けないことで家庭の流れが止まってしまうことに強いストレスを感じていたといいます。

A：「夫や姑が助けてくれるのは本当にありがたかったけれど、それでも“自分の役割を果たせていない”という気持ちがどんどん重くなっていって…。家にいるのに家事ができないって、こんなにも心にくるんだなって初めて知りました。また、松葉杖で両手が使えないことは、買い物などの外出にも大きな壁となりました。スーパーに行っても、カゴが持てない。レジで財布を出すのも一苦労。雨の日は傘も差せないし、結局、家から出るのが怖くなってしまって。」

Q：両手が使えるアイウォークフリーなら、家庭や職場での困りごとは解決できたと思いますか？

A：「間違いなく、できることが増えていたと思います。キッチンで両手が使えたら、料理だって少しずつ再開できたかもしれないし、洗濯物も自分でベランダまで運べたでしょう。リュックを使えば買い物にも行けたと思います。」

さらにAさんは、仕事への影響にも言及しました。

A：「私は公務員なので、ある程度の配慮はしてもらえました。でも、通勤が難しくて在宅勤務に切り替えたとはいえ、家の中でもPCや資料を持ち歩けないのがもどかしくて…。資料を印刷して取りに行く、その移動すら大変なんです。」
アイウォークフリーのようなハンズフリーの歩行補助具があれば、職場復帰への不安も軽減できたのではないかと、Aさんは語ります。

A：「『できない』が積み重なると、自分の存在価値まで疑ってしまうんです。もしあの時、アイウォークフリーがあって、自分の手で自分のことができていたら、“私らしさ”をもっと保てていた気がします。」

“できない”という制約から、“できる”という自信へ。それは、たとえ道具の力を借りたとしても、Aさんにとっては大きな心の支えになったはずでした。

今だからこそ伝えたい。“選べる”ことの大切さ

Q：これから松葉杖を使う人に伝えたいことはありますか？

A：「“我慢しないでほしい”っていうのが、いちばんです。私自身、最初は“仕方ない”って受け入れてたけど、今振り返ると、もっと楽な方法があったかもしれないと思います。つらい状況でも、“何か他に方法があるかもしれない”って、一度立ち止まって考えてほしいです。」

Aさんは、怪我をした当時、病院から渡された松葉杖を「当然の選択」として受け入れていました。でも今なら、他にも選択肢があったことに気づけると語ります。

A：「“松葉杖しかない”って思い込んでたんですよね。だから、調べることも比べることも思いつかなかった。今はネットで“松葉杖代わり”って検索するだけでも、いろんな情報が出てくる時代なんです。知らないことで、余計につらい思いをしてしまうのは本当にもったいない。」

Q：「アイウォークフリー」のような選択肢がもっと広まってほしいと思いますか？

A：「すごく思います。あんなに画期的なものがあるのに、知られていないのが本当にもったいない。病院でも“こういうのもあるんですよ”ってひと言添えてもらえるだけで、選択肢が増えて松葉杖生活がずいぶん変わると思うんです。」

Aさんは、医療現場でも“道具の提案”がもっと日常的になってほしいと願っています。一人ひとりの生活スタイルや家庭環境に合わせて、松葉杖だけでなく、「アイウォークフリー」のようなハンズフリー補助具も選べる時代へ…。

A：「選べるって、それだけで前向きになれるんですよね。“私はこれを選んだから、頑張れる”って思える。そんな選択肢を、これから松葉杖生活を始める人たちに知ってほしいです。」

自身の経験を振り返りながら、Aさんは静かにこう語ってくれました。

A：「“情報を知っていれば、あの日々は変わっていたかもしれない”。そう思うからこそ、今、この経験を伝えたいと思ったんです。」

まとめ　情報を知っていれば、選べる時代

怪我をしたとき、目の前にあるのは「治すこと」で精一杯。そのなかで渡された松葉杖を「それしかない」と受け入れ、日常の不便さに耐える…。
そんな経験をした方は、Aさんだけではないはずです。けれども、いま私たちは“選べる時代”に生きています。松葉杖だけが選択肢ではありません。
両手が使えることで行動範囲と自信を取り戻せる「ハンズフリー松葉杖-アイウォークフリー」のような新しい歩行補助具が、確かに存在しています。

「情報を知らなかっただけで、あんなにつらい思いをしていたのかもしれない」と語る Aさんの言葉は、誰にとっても他人事ではありません。

もし今、あなたやご家族が松葉杖生活を送っているなら。もしこれから松葉杖が必要になるかもしれないなら。
「どんな道具があるのか」「自分に合うものは何か」を知ることは、大きな支えになります。
生活をもっとラクに、もっと自分らしくするために。あなたに合った選択肢を、ぜひ知っておいてください。
これからの歩みに少しでも前向きな一歩が踏み出せますように。